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近くの山の木で家をつくる運動 =宣言=
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海に訊けば
海が痩せ細っているのは
山の問題だという。
川に訊けば
川が煌きをなくしているのは
山の問題だという。
では山の問題はどこにあるのだろう。 |
かつて人々は
近くの山の木で家をつくっていた。
自然にずっとそうやってきた。
かつて山には
手間をかけて木を育てる人がいた。
それを必要とする人々がいたから。 |
この行き来の関係が失われた時
山は手つかずのまま放置され
そして荒れていった。 |
私たちはいま
近くの山の木で家をつくるという
考え方を取り戻そうと思う。 |
それは
豊かに利用できる緑の列島に住む
私たちの自然の姿だから。
それは
山に活力と生命力を
与えることを意味するから。 |
まず人と人が連係しよう。
そして連鎖した自然に向き合おう。
まずそこから始めよう。 |
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この国、日本は、今から50年前までは、ほとんどの家が在来工法(昔ながらの作り方、いまだと和風建築といわれるもの)で作られ、そこで使われる木材の99%が国内産、さらには近隣の山でとれたものでした。ところが現在、この国の木材自給率は10%台にまで落ち込み、90%が東南アジアまたはロシアの針葉樹林から商社により国内に運び込まれ、加工されて使われています。
日本には木がなくなったため、仕方なく輸入しているのでしょうか。そうではないのです。この国は列島の3分の2が森に覆われており、これは、アメリカやカナダの倍の森林率を誇り、密林の国ブラジルやインドネシアをもしのぎ、北欧の森林の国フィンランドに匹敵するのです。
ではなぜ輸入するのでしょうか。それは強くなった円を背景に、人件費その他の経費が安い途上国の原生林を伐採して、安価な材木が輸入されたからです。この商業伐採の結果、森林地帯の先住民は、強制的に立ち退かされ、慣習的な生活様式や文化を放棄させられ、多くの人命を奪う大規模災害の要因となりました。わが身良ければそれで良し、とでも言えそうなこの国の心の奥に暗々と横たわる部分が、発露した結果といえるでしょう。
しかし現在、全世界的に環境問題が叫ばれている中で、他人事でなく我が身の事として捉え、考え直す時期に来ているのではないでしょうか。アレルギーやシックハウスといったものも自分たちがしてきた行為のしっぺ返しではないでしょうか。また、この国の山が死につつあります。非常に荒れてきているようです。それは、安い外材に押され、林業が成り立たなくなってきているためです。
40年から50年育てたヒノキ一本が4000円から5000円にしかならない。木は最初に植林されたら、ずっと放置しておいて良いと言うものではありません。
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下刈り |
苗木の成長を妨げる雑草木を切ること |
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除伐 |
育てる木の生長を邪魔するほかの樹や育ちの悪い樹を切ること。 |
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蔓きり |
樹に巻きつく蔓などを取り除く作業 |
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枝打ち |
下方の不要な枝を切り落とす作業 |
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間伐 |
育林の途中で、一部を伐採して森林の密度を調整し、木々の競合を緩和する |
といった細やかな人間の手入れがなくしては、人工林の環境は保ちえません。この手入れをしていると、適度に山の斜面に日光が入り、下草が生え、昆虫などの生き物が生息し、腐植土層となり、ふかふかな斜面が作られていきます。これが保水性を持ち山の中に蓄えていくのです。これが自然のダムといわれるゆえんです。それが、林業では生活ができないといって、山を放棄してしまうと、樹は密生して山を覆います。すると日光が山の地面当たらなくなり、下草が生えず土があらわになり、大雨が降るとその水を地面に溜め込むことができず、山崩れや洪水などの自然災害となってしまうのです。
私たちは、微力ながら、少しでもよりよい環境つくりのために、家を作られる方の理解を得ながら、可能な限り、国内産、しいては地元の山の木で住宅を作っていければと考えております。ただ作るだけでなく、山の人たちと一緒に手をつなぎ進めていかなければと考えておりますが,いかがでしょうか。
また、地元の木を使うことをすすめるのには以下のような理由があります。 |
1. 地元材を使用することで、居心地の良い、
愛着のある家が建てられます。 |
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●その地の環境に適した材で居心地の良い家が建てられる
何十年も地元の気候で育ち、その地の気温、湿度、天候に適した材に育っているため、外国で育った輸入材より気候に馴染みます。
●愛着のある家づくり
地元の山で伐採され、地元の林業家や製材所の手によって加工された材木は、地域のつながりを感じることが出来、安心感・親しみがあり、その材料で建てられた家にも愛着が湧きます。また地域経済の活性化にもつながります。 |
2.地元材を使用することで、環境問題の改善につながり、
安心できる家づくりが行なえます。 |
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●運搬ルートにおける省エネルギー
外材を使うと船による運搬などで無駄なエネルギーの消費につながります。一方、地域の材を使うことにより、運搬ルートは短く、これがエネルギーの節約につながります。
●空気中の二酸化炭素の抑制
木は成長の過程で空気中の二酸化炭素、太陽の光、水分により光合成を行ない、結果、炭素を取り込み、酸素を空気中に放出しています。木の炭素吸収・貯蔵の活発な活動は50年程度といわれています。そこで、また新しい木を植えることにより、森林の二酸化炭素の吸収は再び活発になり、伐採された木は木造住宅として、炭素を固定し続けていくのです。木の伐採というと環境破壊のように聞こえますが、その後には新しい木を植え再び活発な光合成を行なうという、自然界のサイクルに則した行ないなのです。
●住宅製造時の省エネルギー
住宅生産過程におけるCO2の排出量は鉄筋コンクリート造、鉄骨造に比べて、木造ははるかに低いものとなっています。また、鉄の製造時には熱を、アルミの製造には電気を多量に使うことにより、多量の化石燃料の消費につながっています。
●林業の衰退による自然災害の恐れ
国産材のニーズが少ないと、林業の衰退につながります。これにより手入れのされない森林が増えると山林は保水機能の低下や土壌の流出により洪水や土石流、また水不足などの自然災害を引き起こします。こうした災害を引き起こさないためにも、適したサイクルで木を手入れ、活用していき、林業活動を活性化させる必要があるのです。 |
戦後、日本で積極的に植林が行なわれた人工林は、現在、充分成育した状態にあります。これらを活用することにより気候風土に合った、耐久性の高い住まいが手に入り、日本の林業を支え、環境にも寄与することができるのです。 |